静かな退廃美を纏うアルチザン
- Shunya Hirade

- 2月16日
- 読了時間: 3分

灰草は、静岡県を拠点とするアルチザンブランドです。
少数精鋭でブランド自体を運営しているため、オンラインショップや記事などのメディアへの露出がほとんどありません。
敢えてしないのではなく、服を作ることが忙しすぎてできないとのことでした。
また、灰草は大量生産とは対極にある、小規模生産・手仕事・経年変化を前提とした服作り。
その世界観は、単なる“服”というよりも、時間を纏うプロダクトに近い存在です。

灰草は、いわゆるパリモードの文脈というより、
・アルチザン
・ポストアポカリプス的世界観
・退廃美
・ミリタリーやワークの再解釈
といった空気感を持つブランドです。
日本のモード文脈で言えば、ヨウジやギャルソンの思想を通過した先にある実験的クラフト寄りの立ち位置とも言えます。
灰草は既存のラインの他にもash to ashというさらに実験的なラインも存在しております。
その話はまた次回にでも。

灰草の服には、強い加工感と物語性があります。
代表的な要素は、
・泥染めや特殊加工による褪色
・断ち切りやほつれを活かした縫製
・立体的かつ不均衡なパターン
・厚みのある天然素材使い
新品でありながら、まるで長い時間を経たような質感を持っているのが特徴です。
それは単なるダメージ加工ではなく、「経年変化を想定した完成形」と言えるでしょう。
また、灰草はデザイナーが自ら紙に手書きでパターンを引き、生地を裁断し縫製まで行います。
藍染で使う染料は全てアトリエで育てたものを使っており、さらに今後はコットンまで自社製のものにするという話もあるようです。

真鍮無垢のボタンは、燻をかけて磨いての工程を1週間以上かけて行うこともあります。

•商品紹介
現在出品している〝ワイドアンクルパンツ〟について紹介します。

ワイドアンクルパンツ
このパンツはとても独特な形をしております。
•サルエル型に近い股上の深さ
•そして文字通り股下はくるぶし丈
•太ももにかけて広がっているシルエット
履いてみて本当に良さがわかる一着です。
素材もすごく独特です。
製品表示には
•アンゴラ
•コットン
•レーヨン
を使用しています。

また、染色方法も独特です。
•柿渋染
•鉄漿水(かねみず)
後一つは公開されておりません。
このようにして生み出されるワイドアンクルパンツは初めは岩のように硬く、履いていると正直とても痛いです。
しかし、履き込むにつれどんどん柔らかくなり唯一無二の経年変化を起こしてくれるのも素敵です。
また、このパンツはブランド初期に使用された生地でもう2度と同じものは生み出されることはありません。
•アルチザンとしての思想

灰草の魅力は、トレンドとは無縁の姿勢にあります。
・流行を追わない
・シーズンテーマに依存しすぎない
・着る人の生活と共に変化する
こうした服作りは、大量消費型ファッションとは対極の存在です。
着込むことで風合いが深まり、身体に馴染み、唯一無二の一着へと変化していきます。


