アメリカン・トラディショナルの象徴であり、今なお「Made in USA」にこだわり続けるシャツブランド、インディビジュアライズド シャツ(INDIVIDUALIZED SHIRTS)。
世の中には数多くのシャツブランドが存在しますが、アイビーやアメリカントラッドを愛する人にとって、特別な響きを持つブランドです。
1961年の創業以来、一貫してアメリカ国内での生産にこだわり、歴代大統領やハリウッドスターをも顧客に持ってきた同ブランド。今回は、彼らが歩んできた濃厚な歴史と、世界最高峰と呼ばれる理由について詳しく解説します。

1961年、ニュージャージー州での誕生
インディビジュアライズド シャツの歴史は、1961年にアメリカ・ニュージャージー州のパースアンボイという街で始まりました。
創業者は、ジョン・ラレスカ(John Laresca)とジョージ・ジマーマン(George Zimmerman)という2人の熟練したシャツ職人。当時のアメリカは、大量生産・大量消費の時代へと急激にシフトしている真っ只中でした。
そんな中、彼らが掲げたのは「個人のためだけに仕立てられた、カスタムメイドのようなクオリティを既製服(レディ・トゥ・ウェア)で提供する」という、時代に逆行するかのような強い信念でした。ブランド名にある「INDIVIDUALIZED(個人に合わせた、個性化された)」という言葉には、まさにこの創業時の哲学が込められています。

歴史を語る上で外せない名門「ブルックス ブラザーズ」との深い関係
インディビジュアライズド シャツの歴史を語る上で、絶対に外せないのが「Brooks Brothers(ブルックス ブラザーズ)」の存在です。
ボタンダウンシャツの元祖であるブルックス ブラザーズにその高い技術力が認められ、名だたる高級紳士服店のOEM(委託製造)を手掛け、アメリカ国内のカスタムシャツ市場で約60%という圧倒的なシェアを誇るまでに成長。
ボタンダウンシャツの「生みの親」であるブルックス ブラザーズが、自社の顧客向けのカスタム(オーダー)シャツの製造を全面委託したのが、インディビジュアライズド シャツでした。
これにより、ブランドの地位は不動のものとなりました。
職人技が光る「3つの凄み」
彼らのシャツがこれほどまでに愛されるのは、創業当時から変わらない「クラフトマンシップ」が細部に宿っているからです。特に有名な3つの特徴を見てみましょう。
「コンストラクション(襟元)のロール」
ボタンダウンシャツの命とも言えるのが、襟(カラー)の開き方とロールの美しさです。インディビジュアライズド シャツの襟は、ネクタイを締めても、第一ボタンを開けても、独自の美しいドーム状のカーブ(ロール)を描きます。これはミリ単位の縫製技術と、芯地の絶妙なバランスから生まれる職人技です。

肩に馴染む「コンチェルト・ヨーク」
一般的なシャツは肩のステッチが直線的ですが、彼らのシャツは「コンチェルト・ヨーク」と呼ばれる、背中のヨーク(肩の切り替え部分)に緩やかなカーブを持たせる仕様(寸法のゆとりを持たせる縫製)を採用しています。これにより、腕を動かしたときに突っ張らず、まるでオーダーメイドのような着心地の良さを実現しています。

③ 頑強な「コンシールド・ステッチ」
脇線などの縫い合わせには、生地の端が見えないように巻き込んで縫う「本縫い」を採用。1インチ(約2.54cm)の間に25針前後の非常に細かいピッチで縫われており、見た目が極めて上品なだけでなく、何年着ても破れない圧倒的な耐久性を持っています。
時代が変わっても、変わらない価値
多くの rationalization(効率化・合理化)が進み、多くのアメリカブランドが生産拠点を海外へ移す中、インディビジュアライズド シャツは今もなお、アメリカ国内の自社工場でミシンを回し続けています。
手を入れるほどに生地が馴染み、10年後にはさらに格好よくなる。インディビジュアライズド シャツは、単なる衣類ではなく、共に年齢を重ねていける「人生の投資」と言える逸品です。
まだ袖を通したことがない方は、ぜひその歴史の重みと、極上の着心地を体感してみてください。
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